地上マイクロ波電力伝送応用に関する研究

SPSで用いるマイクロ波電力伝送は地上でも様々に応用可能である。本研究室では様々なマイクロ波電力伝送応用の実現に向け、様々な研究を行っている。

    飛翔体への無線電力伝送

1992年、松本紘京大教授(当時)の指揮の下、1.2kWフェーズドアレーを用いた世界初のマイクロ波無線電力伝送実験を行い、無燃料飛行機の飛行実験に成功した。MILAX(MIcrowave Lifted Airplane eXperiment)と名づけられ、神戸大、CRL(NICT)、日産自動車(IHI Aerospace)、富士重工との共同研究により実験に成功した(飛翔映像)

 

    ユビキタス電源(室内)

部屋の中にマイクロ波無線電力空間を作り、携帯電話等の無線充電を行うシステムを世界で始めて提唱し、実験に成功した。ユビキタス電源用低電力レクテナの開発やシステムの低消費電力のためのアンテナの研究を行っている。

 

    ユビキタス電源(屋外)

緊急災害時の無線電源をイメージした、飛行船から地上へのマイクロ波無線電力伝送実験に成功した(2009)2つの位相制御マグネトロンを用い、地上では携帯電話の充電実験や無線LANとの共存実験等を行った。上空から地上へのマイクロ波無線電力伝送は世界初である。

 

    電気自動車の無線充電の研究

電気自動車の電池の省力化・軽量化と共に充電の利便性・安全性の向上、さらに将来は移動中充電によるバッテリーレス化も視野に入れ、マイクロ波を用いた電気自動車の無線充電の研究を行っている。大電力平面レクテナの開発や、アンテナ送受電効率の向上等で成果をあげている。

 

    建物内マイクロ波配電システムの研究

建物に必ず存在する構造体(デッキプレート)を導波管としてマイクロ波を伝搬させ、レクテナコンセントと組み合わせて建物のコードレス化を図るコンセプトである。鹿島建設により始めて提唱され、鹿島、京大、徳島大、岡山大との共同研究で研究を行った。特にレクテナコンセント用GaNショットキーバリアダイオードの開発とそれを用いたレクテナの開発は世界唯一の研究成果である。